【第3話】AIは賢い。でも予約はできなかった〜スプレッドシートと繋いだら世界が変わった話〜

AI

前回の記事で、AI(ChatGPTやGemini)にコードを書いてもらい、プログラミング知識ゼロの私でもWordPressのブログに「AIチャット窓」を設置することに成功しました。

画面の右下にぽつんと現れた丸いアイコン。クリックするとスッと立ち上がるチャット画面。自分が指示して作らせたシステムが自分のサイトで動いているのを見たときは、「俺、エンジニアじゃん!」と脳汁が出るほどの達成感と感動を味わいました。

しかし、現実はそう甘くありません。テンション最高潮のまま、自分でテストのメッセージを打ち込んだ瞬間に、私は冷たい現実を突きつけられることになります。

  • :「こんにちは。明日の15時に予約できますか?」
  • AI:「こんにちは!私はAIアシスタントです。何かお手伝いしましょうか?」
  • :「だから、明日の15時に予約したいんだけど」
  • AI:「予約についてのお問い合わせですね!当店は〇〇時から営業しております」

……会話は成立しています。AIは確かに賢く、それっぽい返事をしてくれます。 でも、肝心の「予約」が一切取れないのです。

よく考えれば当たり前でした。AIは言葉を返すことはできても、お店の「予約台帳」を持っていません。空き時間の確認もできなければ、誰がいつ来るのかを記録する場所もないのです。

「これじゃ、ただの高性能なおしゃべり相手だ……」

お店の受付を任せるには、会話をするだけでなく、「予約データをどこかに保存する仕組み」が絶対に必要。ここから、素人会社員の第二の試行錯誤が始まりました。

AIの予約データを保存する「台帳」をどう作るか?

AIチャットがおしゃべりで終わってしまう原因は分かりました。あとはデータを格納する「箱」を用意するだけです。

とはいえ、本格的なデータベース(SQLなどというらしいです)を一から構築するなんて、HTMLすら怪しい私にはハードルが高すぎます。そもそも、エンジニアが使うような黒い画面で難しい設定を始めたら、それこそ副業として形になる前に挫折してしまいます。

もっと身近で、私でも扱えて、さらに将来導入してくれるであろう個人店の店主さんも簡単に中身を確認できる「台帳」はないだろうか……。

そう考えて行き着いたのが、仕事でも毎日のように使っている「Googleスプレッドシート」でした。

Excelと同じように使えて、クラウド上でいつでも開けるスプレッドシート。これをお店の予約台帳にして、AIが聞き取った予約内容(日付・名前・メニューなど)を自動で書き込めるようにすれば、立派な予約システムになるのではないか、と考えたのです。

魔法の架け橋「GAS(Google Apps Script)」との出会い

「AIチャット窓」と「スプレッドシート」を繋ぐ。 言うのは簡単ですが、どうやって?

ここで再び、強力な相棒であるAIの先生(ChatGPT・Gemini)に泣きつきました。

「ブログのチャットで受け取ったデータを、Googleスプレッドシートに自動で書き込みたいです。プログラミング未経験でもできる方法を教えてください」

AI先生が教えてくれた答えが、「GAS(Google Apps Script)」という仕組みでした。

GASとは、Googleのサービス(スプレッドシートやGmailなど)をプログラムで動かすための仕組みのこと。これを使えば、ブログ側から送られてきた「○月○日〇〇様」というデータを、スプレッドシートの指定した行に自動で滑り込ませることができるというのです。

今回も、私はコードの中身を1行も理解していません。AIが吐き出した「GASのコード」を、そのままGoogleの編集画面にコピー&ペーストしました。

ブログ側のチャット、裏側でデータを中継するGAS、そして最後にデータを受け取るスプレッドシート。バラバラだった点と点が、AIの仲介によって一本の線に繋がろうとしていました。

世界が変わった。言葉が「データ」に変わった瞬間

設定を終え、緊張のテスト走行です。 PCの画面の左側に「WordPressのAIチャット画面」、右側に「真っ白なGoogleスプレッドシート」を並べました。

チャット画面に向かって、キーボードを叩きます。

「タカシ、7月5日の14時に、整体のカットコースで予約をお願いします」

送信ボタンをカチリと押した、わずか1秒後。

さっきまで真っ白だったスプレッドシートの1行目に、「2026/07/05」「14:00」「タカシ」「カットコース」という文字が、シュパッと自動で書き込まれたのです!

「うおおお……っ!! 動いた!!!」

深夜の自宅デスクで、思わず小さくガッツポーズをしました。

ただAIが「予約を受け付けました」とおしゃべりしていただけの世界から、文字通り「データが裏側で動いて保存されるシステム」へと進化した瞬間でした。私のような普通の会社員が作った仕組みが、お店の自動予約台帳として機能し始めたのです。

市販の大がかりな予約システムを契約しなくても、AIとスプレッドシートを組み合わせるだけで、24時間自動で予約を受け付ける「受付窓口の土台」ができてしまった。大げさではなく、自分の手の中に新しい武器が馴染んでいくような、世界が変わるほどの衝撃でした。

まとめと次回予告:しかし、現実はエラーの嵐

おしゃべりボットが、ついに「データを保存できる予約システム」へと生まれ変わりました。この仕組みさえあれば、個人店の一番の悩みである「施術中の電話に出られない問題」や「営業時間外の機会損失」を解決できるはず。売れるシステムへの確かな一歩を踏み出しました。

しかし、人生そんなに簡単にはいきません。

「よーし、これで完璧だ!」と調子に乗って、いろんなパターンで予約のメッセージを送り始めた私を待っていたのは、画面が真っ赤に染まるほどの「エラーの嵐」でした。

日付がズレる。名前が空欄になる。そもそもスプレッドシートにデータが届かない。 データが動いた感動も束の間、ここからプログラミング素人の私に、数々の「洗礼」が待ち受けていました。

完璧だと思ったシステム。しかし、実際に色々なメッセージを打ち始めると、画面は見たこともないエラーの赤文字で埋め尽くされることに……。 素人が必ずぶつかる「デプロイの壁」とバグ大爆発の様子は、次回のレポートでお届けします!

次回:【第4話】エラー祭りからの保存成功!初めて予約データが書き込まれた日

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